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『ギシンアンキ~二人用人狼』レビュー:500円で遊べる1対1の人狼ゲームは3分で駆け引きと騙し合いが楽しめる【電撃インディー#619】

文:電撃オンライン

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 ネストピから販売されているSteam専用ゲーム『ギシンアンキ~二人用人狼~』のレビューをお届けします。


 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

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廃屋には村人が二人きり、果たして相手は人間か人狼か!?【ギシンアンキ~二人用人狼】


 本作は、舞台化もされたアナログゲーム『疑心暗鬼の小屋』を原作に、デジタル版として2023年7月に発売された2人用人狼ゲーム。

 人狼ゲームというと“敷居が高い”、“人数を集めなければならない”、“GM(ゲームマスター)ができる人が必要”などのイメージがありますが、本作は1ゲームにかかる時間は約3分と短く、必要人数は自分含めて2人のみ。手軽にサクサク楽しみつつ、人狼ゲームの入門としてもおすすめの作品です。

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 プレイヤーは人狼に襲われた村から生き残った村人。命からがら逃げこんだ廃屋には、もう1名の村人がそこにいました。その人物は本当に“村人”なのか、はたまた“人狼”なのか……。人狼は昼には人間の姿にをとり、夜になると本性を現わして人を襲います。

 見抜くことができなければ、明日の朝はきっと拝めない。お互いの正体が見抜けないなか、手掛かりとなる情報をもとに相手の正体を推理し、相手を信頼するか出し抜くかの行動を決断します。

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1セットのゲーム時間はたったの3分! 引いたカードを元に相手が人間か人狼かを推理【ギシンアンキ~二人用人狼】


 本作では7~8枚のカード(山札)と、ボイスチャットを使用してゲームを進行していきます。基本ルールでは、“生存者”が3枚、“人間不信”が2枚、“人狼”が2枚の計7枚。これに加えて“幽霊”と“愚者”という特殊なカード(役職)があり、ゲーム開始前にどちらかを山札に加えることが可能です。

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▲ルール変更で人狼のカードを多めにしたり、幽霊のような特別なカードを山札に入れることが可能。山札を決定するときは、事前に対戦相手と相談しましょう。

 基本のゲームルールは2種類。“決闘モード”は純粋な勝敗を競い合い、1ゲームごとの勝敗によってポイントが付与され、そのポイントが先に設定した値に到達した者が勝利となります。

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 “疑心暗鬼モード”は協力と対戦が入り混じった、駆け引き要素の高いルール。“人間×人間”や“人狼×人狼”時に勝利するほど経験値が増えるよう変化。プレイヤー同士が信頼関係が“関係性ランク”で表示されます。

 持ち点が減らないように協力しながら関係性ランクを上げつつ、最終的に相手を騙して勝利を目指すといったモードです。どちらのモードでも基本となるルールや勝利条件は一緒なので、ゲームの流れを軽く紹介していきましょう。

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①役職を決定


 まずはお互いに山札からカードを1枚引き、カードに描かれた役職が決定します。役職によって勝利条件が異なるのですが、こちらに関しては後述。残ったカード(5~6枚)は情報カードとして使用されます。

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 役職が決定したあと、カードが1枚ずつ配られます。相手からは役職も配られたカードも見えません。この状態でゲームが開始されます。

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■役職一覧
・自由に行動ができる“生存者”
・他人を信じられなくなってしまった“人間不信”
・人間を喰らうことを狙う“人狼”
・人間でも人狼でもない唯一無二の存在“幽霊(特殊役職)”
・人間にも人狼にも移り変わる存在“愚者(特殊役職)”

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②情報カードと会話によるやり取りで相手の役職を推理


 カードが配られたあと、ここから最大2分30秒間の情報交換が始まります。やり取りが完了し、お互いに“決断を進む”をチェックすれば、制限時間内でも次のフェーズに移行可能。情報交換のやり方は以下の通りです。

●会話による推理

 本作はボイスチャットを使用してゲームを行うため、実際の人狼ゲームのように会話による情報交換や騙し合いが発生します。「あなたの役職はなんですか?」「持っている手札(情報カード)はなんですか?」と質問したり、「一緒に小屋から逃げませんか?」と提案したりすることが可能。もちろん本当のことを言わなくてもいいし、質問に答えなくてもOKです。

●情報トークンを消費して情報カードのやり取りを行う
 
 お互いにトークンというものが2つあり、1つを消費して以下の行動が可能。1ゲームが終了するとトークンはリセットされ、次ゲーム開始時には2つに戻ります。

 手札が1枚以下のとき、相手の手札を1枚もらえるか交渉することができます。手札の要求に対して相手側は拒否権があり、それに承諾するか拒否するかを選択可能。ただし、自分の役職が“人間不信”だった場合は要求することができず、相手から要求された場合は拒否しか選択できません。

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 手札が1枚以下のときに、山札からカードを1枚引くことができます。手札が2枚になった時点で、情報トークンが残っていても“カードを要求する”と“カードを引く”を選択できません。あとは会話と手札の情報をもとに、相手の役職を推理します。

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④決断カードを選択


 両者の情報交換を経て、各プレイヤーは役職に応じた決断カードを30秒以内に選択します。人間の場合は“留まる”か“立ち去る”を選択。人狼の場合は“喰らう”か“見逃す”を選択します。特殊役職の幽霊は、“留まる”しか選択できません。

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 お互いの役職と決断カードの選択によって勝敗が決定。両者ともに人狼ということもありえるのが本作の特殊なポイントで、人狼VS人狼であるなら、お互いに喰らい合わず勝利なんてことも発生します。

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■勝利条件

・お互いに人間だった場合
 自分も相手も人間であるなら、ともに“留まる”を選択できればお互いに勝利です。どちらかが“立ち去る”を選択していると、小屋の外にいる人狼に食い殺されてしまい、両者ともに敗北となります

・どちらかが人狼だった場合
 人間が“立ち去る”または人狼が“見逃す”を宣言すれば、人間の勝利。人狼が“喰らう”を宣言し、人間が“留まる”を宣言すれば、人狼の勝利となります。

・お互いに人狼だった場合
 自分も相手も人狼であるなら、お互いに“見逃す”を選択すれば、小屋の外にいる獲物を捕まえてお互いに勝利。どちらかが片方でも“喰らう”を選択してしまうと、共食いとなり全滅してしまいます。

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▲決闘モードの場合は、勝敗の内容によってポイントが得られます。

 このように、1ゲームを繰り返して勝利を目指すというのが本作の流れです。どちらのゲームモードでも遊んでみたのですが、1セットで大体15~20分程度で決着が着くのでサクサク遊べます。慣れてくると1ゲームで2分もかからないことも多々ありました。

ゲームに“幽霊”カードを入れることで読み合いが白熱する【ギシンアンキ~二人用人狼】!


 上記の勝敗条件やルールを確認して数ゲームを行って感じたのは、人間は“立ち去る”を選択するのが有利な点。“立ち去る”を選んでいれば相手とのポイント差がつかず、人狼相手なら確実に勝てます。

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 そこで特殊役職“幽霊”の出番。役職が幽霊になった場合、決断カードは“留まる”しか選択できないのですが、相手が人間であれば“立ち去る”を選択させれば勝利となり、相手が人狼なら“喰らう”を選択させれば勝利となります。自分が幽霊のとき、相手が人間だと思ったら“立ち去る”を選択するように誘導するのが面白い!

 「情報カードに幽霊があります」といった感じで宣言し、いかに自分が幽霊以外の役職かをアピールするのか考えつつ、バレないように会話をするのがハラハラしましたね。

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 逆に自分が人間だったとき、相手が幽霊だという予想をドンピシャで当てて“留まる”を選択して勝利したときはこれまた非常に気持ちいい! 幽霊カードが山札に1枚入るだけで、読み合いや騙し合いが一気に楽しくなりました。

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 ただ、本作はランダムマッチがサポートされていません。プレイする場合はSteamのフレンド機能か招待コードを共有して対戦する必要があります。

 それでも本作の価格は500円と超お得。友だちと気軽に人狼ゲームを楽しむには敷居が低い作品です。

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