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2018年11月15日(木)

ローグライクRPG好きによる『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』座談会! 遊びやすくてタヌキが憎い!?

文:ophion

 フリューが本日2018年11月15日に発売した、PS4用ソフト『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮(ダンジョン)』。本格的なローグライクRPGとして発売される本作について、電撃のローグライクRPG好きが座談会式で語ります!

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』

 『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』は、『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)で漫画が好評連載中で、7月14日からはTOKYO MX他全国7局でTVアニメも放送された『ゆらぎ荘の幽奈さん』を原作としたローグライクRPGゲームです。

 フルボイスで楽しめるオリジナルストーリーや、ギリギリを攻めるちょっとムフフな展開など、『ゆらぎ荘の幽奈さん』ファンにはおすすめのタイトルです!

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』

 ですが、この記事ではあえて原作要素控えめで、ローグライクRPGとしての難易度や見どころはどうなっているのかを語っていきます。ゲームとしておもしろいのかどうかを知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください!

【座談会参加者】

ophion(オピオン):コンシューマを中心にさまざまなゲームをジャンル問わず遊ぶライター。頭脳派プレイヤーでローグライクRPGは堅実に進めたいほう。

カワチ:ギャルゲー大好きゲーマーですが他のジャンルも幅広くプレイしているライター。ローグライクRPG歴も長く、いろいろなタイトルをプレイしています。

ユート:コンシューマからアプリゲームまでなんでもプレイする雑食ゲーム好きライター。コツコツプレイを進めていくのが得意で、装備強化がたまらなく好き。

りえぽん:RPGがとにかく大好きな編集。もちろんローグライクRPGも範囲内。安定プレイ派と見せかけて行き当たりばったりなプレイになりがち。

ローグライク好きたち、いきなり話が逸れる

オピオン:『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』は原作の雰囲気も楽しめつつ、ゲームとしてはかなり本格派なローグライク(※1)RPG。ということで、そもそもみなさんローグライクRPGっていつごろからプレイしていました?

※1:ローグライク

 コンピューターRPG黎明期の1980年に公表されたダンジョン探索型のRPG『Rogue(ローグ)』に類似した特徴を持つゲーム。

 装備品やアイテムなどを駆使して、ランダム生成のダンジョンを出口を目指して進むもので、死んでしまうと手に入れたアイテムはなくなり、レベルも1に戻ってしまう。他にも、空腹度の存在などさまざまな特徴がある。

りえぽん:私は1993年発売の『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』(※2)からですね。

ユート:同じく『トルネコ』ですね。

カワチ:やっぱりそうなるよね。同じく『トルネコ』がローグライクRPGデビューだなあ。

オピオン:自分はそこからちょっと遅れて、『風来のシレン』シリーズ(※3)の『不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物』(1996年)がローグライクRPGデビューですね。

※2:『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』

 1993年9月19日にスーパーファミコン用ソフトとして、チュンソフトから発売されたローグライクゲーム。

 エニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売された『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場した武器商人トルネコの後日譚が描かれており、“不思議のダンジョン”を探索してゴールドを集め、自分の店を大きくしていくことが目的となっていた。

 日本における“ローグライクゲーム”の知名度を一気に上げたタイトル。

※3:『風来のシレン』シリーズ

 チュンソフトの『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』に続く『不思議のダンジョン』シリーズ。1995年12月1日にシリーズ1作目となる『不思議のダンジョン2 風来のシレン』がスーパーファミコン用ソフトが発売された。

 基本システムは『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』から受け継いでおり、風来人のシレンが主人公となる和風の世界観で冒険する。

ユート:っていいの? いきなり他社さんのタイトルを出して。これ『幽奈さん』の座談会でしょ?

オピオン:うーん。さすがに日本のローグライクRPG、しかもコンシューマのタイトルを語る時に『トルネコ』と『シレン』のどちらの名前も出てこなかったらウソでしょう(笑)。

カワチ:某妻子持ちの商人、某三度笠が特徴でしゃべるイタチを連れた風来人って呼ぶ?

ユート:それは周りくどくていやだ(笑)。

カワチ:ただ、ついセットで挙げたけれど『トルネコ』と『シレン』は結構違うよね。『トルネコ』のほうがストイックなゲーム性だった気がするよ。『シレン』は持ち帰ったアイテムをそのまま次の冒険に使えるっていうのが大きいね。

オピオン:『トルネコ』の場合は、どうだったんですか?

りえぽん:アイテムを持ち帰る要素はあるけれど、持ち帰ったアイテムを売って武器屋を大きくするっていうのが目的だから手元に残るアイテムは少なかったかな。一応少しだけは、ダンジョンに持ち込みもできたけどね。

オピオン:持ち帰ったアイテムが商品になるから、実質的に毎回アイテムがリセットされてたんですね。

カワチ:そもそも今ローグライクRPGって呼ばれているジャンル自体がほぼない時代だったから、『トルネコ』は単純に目新しかったよね。『シレン』はそこからさらに遊びやすさを増したイメージかな。

りえぽん:『幽奈さん』も含めた日本のローグライクRPGは、『不思議のダンジョン』シリーズがベースになっていると言ってもおかしくないです。

カワチ:『シレン』のようなゲームからどう味付けをしていったかが、個々のタイトルの差だよね。

 主人公の育成の幅を極端に増したものがあれば、『オメガラビリンス』(※4)みたいに少しお色気要素を入れて間口を広げたものもあり。素のままのローグライクRPGは結構ストイックなジャンルだから、なにかしらフックになるものがないとコアな人以外遊びにくいかも。

※4:『オメガラビリンス』

 ディースリー・パブリッシャーより2015年11月19日に発売されたVita用ソフト。最新作の『オメガラビリンス ライフ』は、2019年にNintendo Switchソフトとして発売予定。

 ローグライクRPGとしてのおもしろさはしっかりと押さえつつ、キャラクターはかわいい女の子ばかりで、溜めると女の子の胸が大きくなる“ωパワー”といったお色気要素が多く含まれるタイトル。

オピオン:その点、女の子がいっぱいで、しかも衣装が破ける『幽奈さん』はフックもばっちりで安心ですね!

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲キャラクターが装備できる破風忍具(ハプニング)はターンを消費せずに攻撃するなど高い効果が得られる代わりに、使用すると衣装が破れることがある。

『幽奈さん』はローグライクRPGが初めてでも安心!

オピオン:ところで、ローグライクRPGならではの楽しさって、どこに感じますか?

ユート:装備を少しずつ強化していくところかな。単純に攻撃力や防御力を増やすのと並行していろいろな特殊能力を付けたりして。

 どんなローグライクRPGでも、タイトル問わず「これぞ!」って言える一本なり一着なりは必ず作ります。だから、あんまりストイックなゲームよりもきっちり持ち帰れて装備の強化の幅が広いタイトルが好きだなぁ。

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』でも、装備同士を合成して、より強力な装備を作り出せます。

りえぽん:私は『トルネコ』のキャッチコピーに“1000回遊べるRPG”ってあった通り、何度プレイしても飽きないところが好きです!

 力尽きると1からやり直しだからこそ、どこまで進めるか過去の自分と競う感じがおもしろかった。

 しかも力尽きた時って、だいたい自分のせいじゃない。「あそこで急いでフロアを降りたからアイテムが足りなくなった」「近づかれる前にもっと飛び道具で攻撃しておくべきだった」とか、そういった失敗を次の探索では、なんとかしようとしていくのが楽しくてやめられません。

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲ピンチをどうやって切り抜けるか考えるのもローグライクRPGのおもしろさの1つ!

オピオン:結構コアゲーマー寄りの考え方なんですね。

りえぽん:そんな風に毎回1からのスタートで『トルネコ』を遊んでいたから、『シレン』で持ち帰ったアイテムが次に生かせるって要素が、逆にうまく使えなかったのよ。

 しっかり強化した武器を持ち込むと簡単になっちゃうから、あえて未強化の武器だけ持ち込んでみたり(笑)。

カワチ:自分もどちらかというと1からのスタートに楽しさを感じていたかな。奥のほうまで進めると、生を実感するよ(笑)。

オピオン:それはさすがに大げさでは!?

カワチ:うん、言いすぎた(笑)。でも、普通のRPGとローグライクRPGは全然プレイ体験が違うよね。例えるなら、常に普通のRPGのボス戦が続いているのがローグライクRPGって感じ。ここまでギリギリ感を味わえるRPGって、他にあまりないと思う。

オピオン:やっぱり装備の強化と1からのスタートの2つが大きいですよね。

カワチ:装備の強化要素は、日本人に合っていると思う。日本人って、コツコツとじっくり育成していくのが好きじゃない? 自分もそのタイプ!

りえぽん:そしてダンジョン内で力尽きて、強化した装備がなくなるまでがお約束なのよ。

ユート:あるある(笑)。ただ『幽奈さん』の場合はお気に入りの装備には“霊印”というものを付けることができて、霊印が付いた装備を持って力尽きた場合、その装備がショップに陳列されます。だから、強化した装備が1回のミスでなくなるってことはないですね。

 あと、ダンジョン内で力尽きた場合“残留思念”がダンジョン内に残って、同じダンジョンに挑戦して残留思念に触れればアイテムの回収ができます。こんな風に二重にフォローがあるので、手に入れたアイテムは意外と失いにくいですね。

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲霊印はダンジョンに潜る前に付けておく必要があるので忘れずに!
『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲残留思念は発生した場所と同じダンジョンの同じフロアで回収できます。

カワチ:装備の強化がしやすくて遊びやすいのはいいね!

ユート:それに、用意されたアイテムが少な目だから、未鑑定アイテムの種類を識別(※5)しやすいのもいいです。ローグライクRPGが初めてという人も、問題なく遊べると思います。

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲未識別のアイテムは消耗品なら使えば効果を判別できます。ただし、中には毒薬などの危険なアイテムも。

※5:未鑑定アイテムの種類を識別

 効果がわからない“未鑑定アイテム”は、識別するためのアイテムを使うか、自分で使ってみるなどの方法で、どのアイテムかを予測する必要がある。店への売却額でアイテムを予測するといった方法も。

カワチ:初心者向けというと、最近のローグライクRPGは、メインストーリー部分を簡単にしておくっていうのが流行な気がする。で、クリア後にアイテムを持ち込めないとか、持ち込んでも難しい上級者もがっつり遊べるダンジョンがあるってイメージ。

りえぽん:20年以上ローグライクRPGを遊んでいる人に取っては、少なくともメインストーリーは簡単と感じそうです。ただ、それは今挙がった自力で未鑑定アイテムを識別するみたいな“ローグライクRPGの定石”を知っているからこそ。『幽奈さん』が初めてのローグライクRPGという人なら、また難易度の感覚も変わるかも。

オピオン:少なくとも自分が初めてローグライクRPGを遊んだ時は、未鑑定のアイテムは飲むなりなんなり、とりあえず使っていましたね。今じゃ考えられません(笑)。

カワチ:そういったローグライクRPGの定石が全部使えることを考えると、『幽奈さん』はすごくスタンダードなローグライクRPGじゃないかな。

りえぽん:実は『幽奈さん』も、マトリックス(※6)が開発していますからね! 最初に挙げてた『トルネコ』の『2』、『3』をはじめいろいろな作品を手掛けている会社ですよ。

※6:マトリックス

 家庭用ゲームソフトの企画・製作・開発を請け負う。前述の『トルネコの大冒険』シリーズの『2』、『3』の他、『オメガラビリンス』の開発も担当している。

オピオン:そんなスタンダードな作りの中で、ちゃんとキャラクターにスキルやステータスで個性付けがされていますよね。

カワチ:幽奈だったら幽霊だから、全体攻撃と同時に自身が透明になるスキルがあったりね。

オピオン:透明になっている間は敵から狙われないので、幽奈はもしかすると自分で操作するよりも仲間として同行してもらうほうが遊びやすいかもしれません。

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲幽奈の技の1つ“ポルターガイスト”。桶が飛び回る全体攻撃のあと、自身が透明化します。

りえぽん:ローグライクRPGで仲間っていうと、心強い代わりにハプニングの原因になる印象なんだけど、『幽奈さん』ではどうでしょう?

カワチ:普通のダンジョンを冒険している時はメリットばかりだけど、難しいダンジョンだと仲間がいたからピンチになったってケースはあるね。

ユート:一度逃げて体制を立て直したいのに、仲間が敵に向かって行っちゃって困ったり?

カワチ:でも、『幽奈さん』は仲間と一緒に冒険したほうがいいよ!

 普通のローグライクRPGだと、仲間もお腹が空いたり、仲間はアイテムじゃないと体力を回復できなかったりと仲間と一緒に冒険し続けるのにリソースが必要になることが多いけど、『幽奈さん』の場合は、仲間はお腹が空かないし体力も自然回復。しかも仲間が力尽きても次のフロアに着けば復活するから!

オピオン:仲間がいると、1人ではマイナスの効果しかないアイテムに使い道が生まれるのがいいですよね。例えば、他のキャラクターにしか使えないけど、使われた対象の行動速度が倍になるアイテムとか。

りえぽん:ああ、確かに。

オピオン:ローグライクRPGって、手に入ったアイテムをどう使うかがすごく重要だと思うんですよ。仲間はその用途を増やしてくれるという意味で、一緒にいると心強いですね。

カワチ:あと、仲間がいると自分の分と仲間の分で2着の衣装の愛着度を同時にあげられるのもオトクだね。

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲衣装の愛着度を上げると、より強力な装備に強化できるようになります。

合言葉は「タヌキには気を付けろ」!?

カワチ:そういえば、この座談会で言おうと思ってたことがあるんだけど『幽奈さん』で最大の敵ってタヌキだよね?

ユート:タヌキは許せないですね。アイテムを投げ付けてくるタヌキ、物を盗むタヌキ、お金にあたる“霊石”を盗むタヌキ、持ち物を別のアイテムに変化させるタヌキ。とにかくひどいことをしてくる!

オピオン:持ち物を盗むタヌキの中には、装備しているものを優先して盗んでいくタイプもいますよね。実際、過去に遊んだローグライクRPGでいやらしい特殊能力だなと思ったものがタヌキに多く詰まっている印象があります。

ユート:タヌキはろくなことしない。

カワチ:タヌキを見つけたら遠距離攻撃で、近づかれる前にやれかな。

りえぽん:経験者が送るローグライクRPG初心者へのメッセージは「タヌキには気を付けろ」でいいのかな(笑)?

カワチ:『幽奈さん』が初めてのローグライクRPGという人は、この言葉を覚えておくときっとどこかで役に立つはず(笑)。

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』
▲ダンジョンの中には、電撃スタッフの恨みを買った(!?)タヌキばかりが出現する場所も!

ユート:『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』は、全体的にとにかく遊びやすい作りですね。最近のローグライクRPGは定番どころは遊んでいる前提で、性能の極端なアイテムや強すぎる敵が用意されていることがあるけれど、『幽奈さん』は初めてのローグライクRPGでも問題なく遊べますね。

オピオン:ただ、いろいろなところが親切にできているからこそ、自分たちのような古くからのローグライクRPGプレイヤーは少しぬるめの難易度の感じるかもしれません。

カワチ:ぬるく? 温泉だけにぬるく?

りえぽん:えーと……。カワチさんはあとで熱々の温泉に漬け込むとして、ストーリーと関係のないチャレンジ用のダンジョンも用意されているので、上級者の方やローグライクRPGに慣れてきた方はそちらに挑戦するのもいいと思います!

カワチ:ぬるめでお願いします(笑)。

オピオン:ということで、ローグライクRPGとしてもばっちり遊べる『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』。気になる方はぜひ、遊んでみてください!

『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』ハプニング&必殺技動画を公開中!

●『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』ハプニング(小破れ)シーン集

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●『ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮』必殺技集

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(C) ミウラタダヒロ/集英社・ゆらぎ荘の幽奈さん製作委員会
(C) FURYU Corporation.

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